かぼちゃ、別名南瓜としても知られています。
煮てもほくほく、ポタージュにしても滑らかで美味しいですね。スイーツやケーキの材料としても活躍する万能野菜です。
ハロウィンの時期には、ジャコランタンに使われることも多いですね。
主な種類には、甘い西洋かぼちゃ、日本かぼちゃ、特大のハロウィンかぼちゃがあります。ここでは、これらのかぼちゃを3つのタイプに分けて、27品種を紹介します。
かぼちゃの多様なタイプ
主に「日本かぼちゃ」「西洋かぼちゃ」「ペポかぼちゃ」
かぼちゃは甘くて温かみのある味が特徴です。多くの品種があり、それぞれを試すのは楽しいですね。
主なタイプは「日本かぼちゃ」「西洋かぼちゃ」「ペポかぼちゃ」です。
西洋かぼちゃの品種一覧
西洋かぼちゃは甘くて市場でよく見かける主流の品種です。
非常にほくほくしており、栄養価が高く、特にβ-カロテンが日本かぼちゃの5.5倍含まれています。
西洋かぼちゃの14品種
●黒皮栗かぼちゃ
日本でおなじみの黒皮栗タイプの品種です。外皮は黒緑、果肉はオレンジ色で、煮込み料理・スープ・など幅広い料理に使える甘味のあるかぼちゃです。
●ロロンかぼちゃ
果皮は濃緑で、まだら模様があり、果実はラグビーボール形です。1.8~2kg程度の大玉です。上品な甘さと滑らかな舌触りです。
●赤皮栗かぼちゃ
西洋かぼちゃの仲間で、果皮が濃いオレンジ色~朱色です。「打木赤皮甘栗(うつぎあかがわあまぐり)」や「赤ずきん」などの品種があり、味や食感が異なります。
●雪化粧かぼちゃ
このカボチャは、栽培と保管で専門技術と労力を惜しまずに作られており、ほくほくとした食感と甘さが絶妙に調和しています。一貫した味わいが保たれる点も特徴です。外皮は粉雪を思わせるような白さで滑らかであり、「雪化粧」という名前の由来にもなっています。この白さは「デンプン」が関与しています。
●坊ちゃんかぼちゃ
手のひらサイズで重さは約500gの小さなかぼちゃです。通常のカボチャの若い段階で収穫されるものとは異なり、独特の小さくて丸い形が魅力です。縦の溝が特徴的で、赤や白など色のバリエーションがあります。
●長かぼちゃ
へちまのような細長い形をしたカボチャで、石川県の能登地域で栽培されている「弥栄(いやさか)」などの種類があります。栗カボチャに似た甘さとほくほくとした食感が特徴で、あらゆる料理に適しています。特にその長い形状を活かしてステーキとしても楽しむことができます。
●コリンキー
オーストラリアのカボチャと日本のカボチャを交配して日本で開発されたカボチャです。丸みを帯びて先が尖ったユニークな形状で、皮はオレンジ色、内部は鮮やかな黄色です。
未熟で収穫されるため青臭さがなく、生で皮ごと食べることができ、加熱しても美味しいです。サラダや浅漬けにすることをお勧めします。
●プッチィーニ
日本で品種改良された小型のカボチャで、重さは200~300gで手のひらに乗る大きさです。形は扁平で、全体に薄いオレンジ色の皮に濃いオレンジ色の縦じま模様が特徴です。
可愛らしい外見からハロウィンの装飾にも使われますが、栗のような甘さとほっこりとした食感が特徴です。皮が薄く小さいため、レンジで簡単に調理でき、スプーンで掬って食べることができます。
●鈴かぼちゃ
手のひらサイズで、全てが生で食べられる小さなかぼちゃです。レモン色の果実はコリコリとした食感が楽しく、種やワタにはほんのりとした甘みが感じられます。
●すくなかぼちゃ
岐阜県高山市の丹生川地域で栽培されているへちまのような細長いカボチャです。その甘さが際立っており、一般的な西洋カボチャよりもほくほくと滑らかな食感が楽しめます。薄い皮は簡単にピーラーで剥け、調理がしやすいという利点もあります。
●えびす南瓜
この南瓜は、日本のカボチャ市場で長年にわたり人気の高い定番品種です。
適度な粉質でホクホクとしっとりのバランスが取れており、クリアな甘さが際立っています。煮崩れしにくいので、料理がしやすく、特に煮物やスープに適しています。この南瓜は特に10月から11月にかけて最高の味を楽しむことができます。
●こふきかぼちゃ
粉質が顕著で、ホクホク系カボチャの代表格とされているこのかぼちゃは、蒸してそのまま食べるのがおすすめです。甘さも際立っており、天ぷらやコロッケなどの揚げ物にも適しています。10月から11月にかけてが最も美味しい時期です。
●味平かぼちゃ
果物並みの高い糖度と豊かな甘さが特徴です。
収穫後に追熟させることでさらに甘みが増し、一般には一週間程度保管された後に出荷されます。
カットせずに常温で保管すると、追熟が進み甘みが強まるため、加熱すると粉質から粘質への食感変化が楽しめます。
●ダークホースかぼちゃ
このカボチャは、黒くて心形に似た特徴的な外見を持っています。粉質でホクホクし、栗のような甘さがあります。
日本かぼちゃの品種一覧
日本かぼちゃは水分が多くても煮崩れしにくい特性を持っています。1960年代までに多くの品種が登場し、16世紀にポルトガルから伝わったことで知られています。ねっとりとした食感と控えめな甘さが特徴です。
日本かぼちゃの7品種
●バターナッツかぼちゃ
南アメリカ原産のバターナッツかぼちゃは、アメリカで人気があり、ひょうたん形の長い形状とすべすべしたベージュ色の皮が特徴です。
日本ではまだ生産量が少ないものの、国内で広く栽培されています。
加熱すると強い甘みが引き出され、グラタンやスープに適しています。生で食べることもでき、スライスしてサラダにするのもおすすめです。
●小菊かぼちゃ
小菊かぼちゃは、手のひらサイズで菊花形のユニークな形状が特徴です。
成熟すると皮が黄色やオレンジ色に変わりますが、甘みは増しません。
もともと福島県会津地方の伝統野菜であり、現在は石川県や福井県でも盛んに栽培されています。
甘みが少なくさっぱりした味わいと粘質の果肉が特徴で、小ぶりながらも食べ応えがあり、煮崩れしにくいため煮物に最適です。
●菊座かぼちゃ
菊座かぼちゃは、日本のカボチャの中でも特徴的な品種です。外皮は濃い黒色で、深く彫り込まれた筋が荒々しい印象を与えます。
横からカットすると、鮮やかな黄色の果肉が現れ、見る角度によっては菊の花を思わせる形状が浮かび上がります。口に含むと、滑らかでしっとりした食感が広がり、さっぱりと溶けていきます。
この上品で繊細な味わいは、ほくほくした西洋カボチャとは異なるものです。甘みは西洋カボチャに比べ控えめですが、完熟したものを選べば、十分な甘さを楽しむことができます。
●島かぼちゃ
多様な形状を持ち、果肉は鮮やかなオレンジ色で水分豊富ですが甘味は控えめです。
1株で100個もの実をつけることがあり、暑さや湿度に強い特性を持っているため、沖縄での栽培に適しています。
沖縄では「チンクワー」と呼ばれ、沖縄独自の自然環境と文化の中で育つ在来種のカボチャです。さっぱりとした味わいが特徴で、地域の食文化に重要な役割を果たしています。
外観により「ナンクワー」(表面にしわがないタイプ)と「チンクワー」(縦しわがあるタイプ)に分類され、それぞれ独自の特性と用途があります。
●鶴首かぼちゃ
独特な鶴の首のような形状が名前の由来で、ひょうたん形から一部地域では「ひょうたんかぼちゃ」とも呼ばれています。
日本原産のこのカボチャは、美しい黄色の果肉ともっちりとした食感が特徴で、どんな料理にもマッチします。
特にカボチャのスープにすると、その甘みと濃厚な味わいが際立ちます。種が少なく皮が硬いため、調理の際は皮を剥いて使用することが望ましいです。
●黒皮かぼちゃ
光沢のある黒い皮とごつごつとした表面が特徴で、宮崎県で伝統的に栽培されています。
生産地は日本国内で限られていますが、黒皮かぼちゃの果肉はさっぱりとして粘質があり、煮崩れにくいため煮物に最適です。食べた際の滑らかな舌触りが印象的です。
●鹿ヶ谷かぼちゃ
江戸時代に東北地方から持ち込まれた種から栽培が始まり、京都の鹿ヶ谷地区でひょうたん形に育った「京の伝統野菜」です。
あっさりした味わいときめ細かいねっとりした肉質が特徴で、煮物や天ぷらに適しています。
煮崩れしにくい形状を保ち、完熟すると黄褐色に変わり、そのユニークな形状を生かして、料理の盛り付けやインテリアとしても活用されています。
ペポかぼちゃの品種一覧
ペポかぼちゃはもともと北米南部で栽培されており、春の訪れを告げる野菜として親しまれています。
日本では珍しく、最近では金糸瓜などの新種が登場しています。味は淡泊で、他の野菜や肉と合わせやすいです。
ペポカボチャの6品種
●韓国かぼちゃ
韓国では「ホバク」や「エホバク」とも呼ばれてます。
主に韓国で栽培されていますが、日本の一部地域でも栽培され、種も販売されているため、家庭菜園での栽培も可能です。一般に完熟させずに未熟な状態で収穫して食べるのが特徴で、旬の時期は6月中旬から7月にかけてです。
ズッキーニのような細長い形状で、黄緑色の光沢のある外観が特徴で、淡泊でみずみずしい味わいが楽しめます。
●ズッキーニ
ズッキーニはシャキシャキとした食感と少ない甘みが特徴で、ペポかぼちゃの一品種として知られています。
外皮は緑色で、長野県と宮崎県が主な産地です。
このカボチャは、長いきゅうりのような形をしており、さまざまな料理に利用されます。
●カボッキー
カボッキーは、カボチャとブロッコリーの特性を兼ね備えた新種の野菜です。
その鮮やかな緑色と小さなカボチャの形が愛されています。
この種類は水分を豊富に含み、肉質が柔らかく、多様な料理に適しています。
●アトランティックジャイアント
アトランティックジャイアントは主に観賞用として栽培される大型のかぼちゃ品種で、重さが100kgに達することもあります。
主にハロウィンでのディスプレイに使用されるため、食用ではありません。
●そうめんかぼちゃ
そうめんかぼちゃは、元々は石川県の伝統野菜で、現在は全国で少量栽培されています。
このかぼちゃは黄色い皮と細長い楕円形が特徴で、輪切りにして茹でると繊維がほぐれてそうめんのようになります。
このシャキシャキとした食感とさっぱりした味わいで、サラダや和え物に使われます。
●どんぐりかぼちゃ
どんぐりかぼちゃは日本では珍しい種類のカボチャで、濃い緑色の皮が特徴です。
この小ぶりで縦長の形状は栗かぼちゃより小さいですが、果肉は水分が多く、甘みが少ないため、アメリカでは主にオーブンで焼いて食べられます。
かぼちゃの名称の起源
カンボジアとカボチャの類似性
かぼちゃの名前は、ポルトガル人がカンボジアから日本へ持ち込んだ際に名付けられました。
「カボチャ瓜」と最初に呼ばれ、その後「瓜」が省略されて現在の「かぼちゃ」になりました。
「南瓜」という名称も南蛮貿易の時代から使用され、中国では今も「南瓜(ナングァ)」として知られていますが、この名前の語源もカンボジアにあります。
かぼちゃの最適な収穫時期
カボチャの栽培と収穫時期
・植え付け時期:4月上旬から6月下旬
・収穫時期:6月から9月
カボチャは一般的に夏野菜とされますが、冬至前に食べるのが最適とされ、「冬至かぼちゃに年取らすな」とも言われています。
これは、かぼちゃが保存に適しているものの、冬至を過ぎると品質が落ちるため、年内に消費することが望ましいという意味です。
主な収穫期は7月から8月で、収穫後に3ヶ月程度熟成させると最も美味しい時期が訪れ、9月に多く市場に出回ります。
美味しいかぼちゃの選び方
カボチャを選ぶ際の4つのポイント
1.表面に白い粉を帯びたものを選ぶ
2.ヘタが乾燥していて周りが凹んでいるものを選ぶ
3.皮が濃い緑色で重みがあるものを選ぶ
4.形が整っているものを選ぶ
カットされたかぼちゃの見極め方
カットされたかぼちゃでは、果肉の色が濃く、種がふっくらと詰まっているものがおすすめです。
カボチャの生産量トップ10
生産量で見る日本のトップ地域
以下が2022年の、日本の日本のカボチャ生産量トップ10の都道府県です。
・第1位 北海道:105,700トン
・第2位 鹿児島県:10,800トン
・第3位 茨城県:8,400トン
・第4位 長崎県:7,130トン
・第5位 宮崎県:5,520トン
・第6位 長野県:5,510トン
・第7位 千葉県:5,130トン
・第8位 神奈川県:3,480トン
・第9位 沖縄県:3,290トン
・第10位 青森県:2,800トン
特に北海道は圧倒的で、鹿児島の約10倍の生産量を誇ります。
国内シェアの約50%を占め、海産物だけでなくカボチャの生産でも盛んです。鹿児島や茨城もカボチャ生産で知られていますが、そのイメージが広まるのは難しいかもしれません。
グローバルなかぼちゃ生産の現状
中国の圧倒的な生産量
世界のかぼちゃ生産を見渡すと、特に注目すべきは中国の生産量です。
以下は、主要な国々の生産量のランキングです。
・第1位 中国 7,100,000 t
・第2位 インド 4,900,000 t
・第3位 ロシア 1,128,205 t
・第4位 イラン 897,293 t
・第5位 アメリカ 796,872 t
・第6位 ウクライナ 610,800 t
・第7位 メキシコ 544,988 t
・第8位 エジプト 543,334 t
・第9位 スペイン 533,200 t
・第10位 イタリア 530,000 t
この統計には、ズッキーニやキンシウリ(そうめんかぼちゃ)、バターナッツなど、ウリ科カボチャ属の野菜も含まれています。
中国は世界全体の生産の約30%を占めており、中華料理ではかぼちゃの種を食用とする文化があります。
家畜飼料としてのかぼちゃの重要性
世界的には、かぼちゃは家畜の飼料としての需要も大きいです。
特にアメリカでは、ハロウィンで使われるジャック・オー・ランタン用のかぼちゃが多く栽培されていますが、これらは主に観賞用で、食用にはあまり適していません。
そのため、味が劣るものや繊維質が多いものも含まれています。
かぼちゃの種類と特性
市場にはさまざまな種類のかぼちゃが存在し、一部は店頭で見かけることがなくネット販売でしか購入できないものもあります。
多くの種類を試してみて、自分にとって最もおいしいかぼちゃを見つけてください。
最後まで読んでくださって、ありがとうございました。